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農業の隠れた問題2


農業の隠れた問題2

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前回は鳥獣による被害について書いたが、実は農業の隠れた問題ではもうひとつ大きな問題が存在する。この問題の性質の悪いのは有効な解決策が無いと言うことだ。厳密に言えば無いことは無いが、そこまでやってしまうのかということにもなりかねない。
その問題とは人による害のことだ。
もっと分りやすくいうと農産物の盗難被害。つまり泥棒が畑には日常茶飯事でやってきている。
私の畑はとても立地が良い。見晴らしがよく、畑に面する道路もとても広い。お題市内の片浦や曽我の山では運転するのが恐ろしくなるような道路も存在するなか、これは畑を続けていくことの好条件の一つだと常々感じている。
しかし、この好条件が仇となっている。
道が良いということは、言い換えれば慣れていなくとも誰でも来ることが出来るということだ。
だからなのか、もうずっと以前から私の畑では盗難が多い。大根や、生姜などは収穫出来るようになった矢先から盗難にあってしまう。それも一本や二本ではない。物凄い数が盗られることもある。スイカの苗を植え付けたその日に持っていかれたこともある。
収穫し、出荷までコンテナに入れておいたミカンが大量に無くなっていたことさえある。例をあげればきりがない。
あまりに惨く、やりきれない思いだ。
私の祖父は対策として、泥棒に対しての注意書きをした看板を立てていが今のところ効果はないに等しい。それもそのはず。注意して犯罪の発生が収まるならば、世の中の犯罪はとっくに無くなっているだろう。
実際に警察に捕まり、法の裁きを受けなければいけない。私は盗難への対策として、実際に畑の小屋に泊まり込み、一晩中見張りをしようかと考えたことがある。しかし、結局実行しなかった。この案を先輩農家に相談したときに言われたことがもっともで恐らく効果は発揮できないだろうと思ったからだ。
先輩よりご助言頂いた内容として
例え捕まえることが出来たとしても、犯人がもしもやけになって抵抗してきたとして、こちらが大怪我をしてしまったら割りに合わない。もしくは、うまく捕まえられたとしても、自然に生えてるものだと思った、知り合いに持っていっていいと言われていて畑を間違えてしまった等々見え透いてはいるが、立証の出来ない言い訳を言われてしまえばそれで終わりでたいした罪にはならないだろう。
本気で様々な案を巡らせればなんとかなるかもしれないが私達は警察ではない。そればかりやっていれば肝心の本業が確実に疎かになってしまうし、収入にならず人への憎しみばかり募る仕事なんてただ虚しいだけだ。
そう、畑での盗難は現状ではほとんど泣き寝入りしているしかないのである。
そういって有効な対策が出来ないまま何年も過ごしていると今年の夏にとても悲しい事件が起きた。春先に購入し、少し大きくしてから植え替えようと思っていたミカンの苗木の10本中8本が盗難されてしまった。そのことを仲間と情報共有したら同じ道沿いにある仲間も盗難されたとのことであった。それもやはり、複数の本数をだ。1本や2本なら一般家庭の方が盗難していったのだろうと推測することが出来るが、この本数の木を植え付けるのは間違いなくプロの仕業であろう。
これだけではない。前述の通り、我が家の畑で常日頃から盗難に合っている大根やミカンなども常識では一般家庭では消費できない量が盗難にあっている。この量を捌くということは販路がなければとてもではないが無理だろう。となるとやはり、プロの盗難者が存在するということは否定できなくなる。
考えたくはないことだが、農業者またはそれに近い職種に盗難者がいるのではないか。
もちろんプロの盗難者だけではない。
詳しくは書けないが、私は以前とある場所でスポーツに勤しむ方々が、畑になるミカンを美味しそうだといって味見しようとしているところを目撃した。もちろん止めたが、残念そうにしている彼らには悪いことをしているという自覚は微塵も感じられなかった。とてもさわやかで好感の持てる雰囲気を持ちつつも、畑にある農産物はどうも農家の大切な商品ではなく、自然の恵ととらわれているようなのだ。その方々は「一つくらいいいんじゃ…」と言っていたが、考えてみてほしい。それを各々が「一つくらい」でとっていってしまったら一体どうなるのかを。なぜ自分だけいいだろうと考えてしまうのだろうか。自分だけと思う人が積み重なり、農家は泣いている現状を知ってほしい。畑は自然にあるものと純粋に信じている人もいるかもしれないが、畑はあくまで農産物の生産工場なのである。農家が投資をして、苗木を植えて、育てて、やっと商品を販売できるまでにした大事な仕事場。そこから一つであろうと農産物をとるということは万引きなどと同じ立派な犯罪である。
農業は経済活動ということも、もっお教えるべきで知るべきだ。
人による害は盗難だけではない。私の畑にはよく粗大ごみや雑誌が放置されていることもある。鳥獣害と違い、あの手この手の農家への妨害が人の手により行われている。落語の「王子の狐」にもあるように、一番怖い動物はやはり人。だからこそ各人のモラルや自身を律する心が必要なのである。

あっという間にミカンの収穫の季節。次回は収穫の際におこる問題について披露する。


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